【NEWSとSDGs】SDGsの達成度について考えよう!

● SDGs達成度 日本19位(2022年6月3日の記事より)

 

 

学習者用解説

 

 「今月のニュース記事」を学習者用にかみ砕いて解説しています。

 

 SDGsの国別の達成度ランキングが存在することを知っているでしょうか。国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」は2016年から各国のSDGsの達成状況のランキング「Sustainable Development Report」を発表しています(*1)。

 

 2021年のランキングでは、調査した163か国中、わが国は19位となっています。1位フィンランド、2位デンマーク、3位スウェーデンなど、上位はヨーロッパ諸国が占めています。その中でわが国はアジアで最高位となっています。アメリカは41位、中国56位、インドは121位となりました。わが国は2017年に11位となったものの、それ以降はランキングが下がる傾向となっています。

 

 SDGs番号別に見てみると、SDGs5番(ジェンダー平等を実現しよう)、12番(つくる責任つかう責任)、13番(気候変動に具体的な対策を)、14番(海の豊かさを守ろう)、15番(陸の豊かさも守ろう)、17番(パートナーシップで目標を達成しよう)の6つのゴールについては「深刻な課題がある」と最も厳しい評価となりました(*2)。

 

 一方で、わが国が「達成済み」と高評価になったゴールもあります。SDGs4番(質の高い教育をみんなに)、9番(産業と技術革新の基盤をつくろう)、16番(平和と公正をすべての人に)です。SDGsを考える際には課題に目が行きがちですが、これらのゴールについては、世界にも誇れる状況だと言えるでしょう。

 

 ここ1、2年でわが国におけるSDGsの認知度は急速に高まっています。しかし、具体的な行動を起こしている人はまだ少ないという調査結果もあります。2019年9月に開催された国連サミットで、A.グテーレス事務総長は「Decade of Action」を宣言しました。SDGsのゴール年である2030年までに残された時間は長くはありません。取り組みを加速させることが必要です。それには、政府や企業の取り組みだけでなく、わたしたち一人ひとりの行動も非常に重要なのです。この地球上の環境や社会状況が後戻りできなくなる前に、問題の解決に向けて大きなムーブメントを作っていかなければならないでしょう。

 

*1…https://dashboards.sdgindex.org/

 

*2…https://dashboards.sdgindex.org/profiles/japan