【NEWSとSDGs】目標17と関連づけて考えよう!

● アメリカ 66の国際機関から脱退へ(2026年1月9日の記事より)

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学習者用解説

 

 「今月のニュース記事」を学習者用にかみ砕いて解説しています。

 

 アメリカが66の国際機関や国連関連組織から脱退しようとしている、という動きは、世界全体の協力体制を大きく揺るがす事態です。脱退の対象には、気候変動対策を話し合う国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)や、ジェンダー平等や女性の権利を支えるUN Women、母子保健などを支援する国連人口基金(UNFPA)などが含まれています。これらは、世界中の国が協力して課題を解決するための大切な機関です。

 

 特に注目したいのは、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」との関係です。この目標は、国や地域、企業、市民など、さまざまな立場の人たちが協力し合うことで、世界の問題を解決していこうという考え方を示しています。しかし、アメリカのような影響力の大きい国が国際協力の枠組みから離れると、各国が協力する体制が弱くなってしまいます。例えば、気候変動への取り組みは一国だけでは解決できず、世界全体が協力する必要がありますが、UNFCCCやIPCC(気候変動に関する政府間パネル)といった組織からアメリカが離れることは、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成を大きく遅らせることになります。

 

 また、UN WomenやUNFPAからの離脱は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」や目標3「すべての人に健康と福祉を」にも悪影響をもたらすと言えます。UNFPAは150以上の国や地域で母子保健や安全な医療へのアクセスを支援していますが、アメリカが資金を減らすことで、その支援を必要とする地域に届かなくなるおそれがあります。

 
 
 さらに、アメリカはSDGsそのものへの関与を弱めており、国際社会の協力ムードにも影響を与えると考えられています。SDGsは2030年までに達成すべき17の目標で、多くの国が協力して取り組むべきものです。しかし、アメリカのような大国が距離を置くと、「世界は本当に協力して目標を達成できるのか」という不安が高まります。

 

 このような動きが世界に及ぼす影響は大きく、国際協力のバランスが崩れると、地球規模の課題への取り組みが遅れ、結果としてすべての国に悪影響が広がります。だからこそ、高校生のみなさんにも、SDGsの目標17が示す「協力の大切さ」を理解してほしいのです。世界が協力することで初めて解決できる問題はたくさんあります。今回のニュースは、国際協力がどれほど重要で、かつ不安定になりやすいものであるかを示す大切な例であると言えるでしょう。