目標12と関連づけて考えよう!

●リユース品 市場規模3割増へ(2026年2月12日の記事より)

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今月のニュース記事

 

●リユース品 市場規模3割増へ


政府は、使用済みの服や家具などをそのまま再利用する「リユース品」の市場規模を、2030年に24年比で32%拡大させる。24年の約3兆5千億円を、4兆6千億円規模にするという。ごみの排出抑制と、製造や廃棄の際に出る二酸化炭素の削減が目的。環境省が3月にも策定するリユース促進に向けた工程表に目標や取り組みを盛り込む。リユース品の市場規模は、1年間にインターネットオークションや中古品販売店などで購入された使用済み書籍、家電を含む22品目の総額に基づき算出。近年はおおむね年1%のペースで伸びているが、目標の実現には今後、年4~5%の大幅増が必要となる。フリーマーケットアプリ経由で粗悪品が届く被害をふまえ、事業者が守るべき指針を27年度までに策定する。

 

(ニュースダイジェスト 2026年2月12日より)

 

 

 

指導のポイント

 

 「今月のニュース記事」と関連のある目標について、指導の前に押さえておいていただきたいポイントを解説しています。まずは、各目標の概要やめざすところをご確認ください。

 

 この記事は、政府がリユース品市場の規模を2030年までに約3割拡大する方針を示したものであり、循環型社会の実現に向けた重要な動きを表している。これはSDGs12番「つくる責任 つかう責任」に直結し、サーキュラーエコノミーなどの新しい経済、社会の実現の観点から、高校生にとって持続可能な社会の実現について考えるきっかけとして有用である。

 

 記事では、粗悪品流通の防止に向け事業者指針を策定すること、自治体による環境に配慮した物品調達制度の見直し、フリマアプリの健全化、キャンペーンによるリユース品の購入促進など、多面的な施策が示されている。これらは行政、企業、消費者が協働することで資源消費を抑制する仕組みを構築するための取り組みであり、総合的な探究の時間において「政策と個人行動の関係」を考察する題材として適している。

 


 また、リユースは3R(リデュース・リユース・リサイクル)の中でも特に環境負荷の削減効果が高く、CO₂排出量の削減にも大きく寄与する。高校生にとっても、身近な不要品の扱いやフリマアプリの利用など、日常生活と社会的課題が結び付く点が理解しやすいと言える。授業では、リユース促進に向けたアイディア創出や、地域で実践可能な取り組みの検討など、主体的な探究活動へ発展させることが可能である。

 

 

学習者用解説

 

 「今月のニュース記事」を学習者用にかみ砕いて解説しています。

 

 この新聞記事は、政府が2030年までにリユース品の市場規模を約3割拡大しようとしている、というニュースです。リユースとは、一度使ったものを捨てずに、できるだけそのままの形で再び使うことです。今回の政策は、ごみの削減や二酸化炭素の排出削減をめざすもので、SDGs12番「つくる責任 つかう責任」と深く関連しています。新品を作るには資源やエネルギーが必要で、廃棄にも環境負荷がかかります。だからこそ、1つのものをできるだけ長く使い続ける社会をつくることが重要になっています。

 


 記事によれば、フリマアプリや中古品販売店などで取引されるリユース品の市場は近年拡大していますが、政府はこれをさらに促進するために、粗悪品の流通を防ぐための事業者向け指針を作ったり、自治体に環境に配慮した物品の購入を促したりする方針です。また、家庭で不要なものが多く出る年末や引っ越しの時期に、リユース品の購入を促すキャンペーンも検討されています。こうした施策は、行政・企業・市民が協力しながら、循環型社会を実現するための取り組みです。

 


 高校生のみなさんにとって、リユースはとても身近なテーマではないでしょうか。例えば、家にあるもう着なくなった服、読み終えた本、買い替えた家電など、みなさんの周りにも「まだ使えるけれど使われていないもの」がたくさんあるはずです。それらをフリマアプリで売ったり、必要としている人に譲ったりすることは、環境にやさしい行動の第一歩です。また、逆にリユース品を自分が購入することで、限りある資源を大切にする消費者としての意識を育むことができます。こうした行動は、SDGsの実現に直接つながる「自分ごと化」しやすいテーマでもあります。

 


 さらに、この話題は高校での学びとも深くかかわっています。地理総合における「資源・エネルギー問題」、公共の「持続可能な社会の構築」、家庭科の「持続可能な暮らし方」、理科では「環境負荷と物質循環」といった内容と結びつけることができるでしょう。また、総合的な探究の時間でも、地域のリユースショップの調査や、学校内でのリユース活動の企画、フリマアプリの安全性や仕組みの分析など、探究テーマとしてさまざまな形に発展させることができます。

 


 大切なのは、このニュースを「社会の出来事」で終わらせるのではなく、「自分の生活とどうつながっているか」を考えることです。身近な行動がより大きな社会の変化につながることを理解できれば、探究学習はより実感を伴ったものになります。そして、普段の消費行動を少し工夫するだけで、未来の環境を守る力になれるという感覚を持つことが、これからの社会を生きるうえでとても大切です。このテーマを通して、自分の生活、学校での学び、社会の動きがつながっていることを感じながら、持続可能な未来について考えてみてください。

 

 

【問いかけ例】

 

Q.なぜ社会全体でリユースを進める必要があるのだろうか? 
* リユースが環境問題の解決にどのように貢献するのかを生徒自身に整理させたい。具体的には、ごみ排出量の削減やCO₂排出削減といった環境負荷の低減が、なぜ今の社会で重要なのかを考えること、また、SDGs12番「つくる責任 つかう責任」と関連付け、資源の有限性や持続可能な消費の大切さを理解させることが重要である。これは単なる「エコ活動」ではなく、社会構造にかかわる問題であることを認識させたい。

 

Q.普段の生活の中で、リユースにつながる行動には何があるだろうか?
* 生徒が自分ごととして考えることを促す問いである。服、本、文房具、デジタル機器など、身近な物品の買い方・使い方・手放し方を振り返らせることができる。フリマアプリの活用や物品の譲渡などの行動が社会に与える影響を理解させ、「自分の選択が社会の仕組みを変える力を持つ」ことを実感させることが重要である。自分たちの生活と社会課題をつなげる視点を育むことができると考えられる。

 

Q.リユース品が流通拡大することのデメリットには何があるだろうか?
* リユース品の流通拡大の負の側面を考えさせることで、多角的な視点を養うことが重要である。例えば、新品の売上減がもたらす産業構造の変化、個人間取引における個人情報の流出やトラブルが起きやすいといったリスクなどが挙げられる。生徒には「環境に良い=常に正しい」という一元的な評価に終始するのではなく、メリットとデメリットを比較しながら、自分なりの評価軸を持って考える姿勢を育てさせたい。

 

オリジナル資料

 

 〈資料1〉は、「学習者用解説」と、「生徒への問いかけ例」をまとめたプリントです(A4×2枚)。〈資料2〉は、その月に取り上げるゴールに関連する「入試小論文過去問題」を紹介します。