● 65歳以上の割合 過去最高更新(2025年9月15日の記事より)

今月のニュース記事
●65歳以上の割合 過去最高更新
15日の敬老の日にちなみ、総務省が人口推計を公表した。65歳以上の高齢者は3,619万人。総人口に占める割合は29.4%で過去最高を更新した。人口4千万人以上の38か国中ではトップとなっている。人口推計によると、内訳は男性1,568万人、女性2,051万人。総数は前年より5万人減った。新たに65歳になった人数が少ないのが要因と見られる。一方、総務省の労働力調査では、2024年の高齢者の就業者数は930万人と21年連続で増加し、過去最多を更新。就業者全体に占める65歳以上の割合は13.7%で、働く人の7人に1人が高齢者となっている。
(ニュースダイジェスト 2025年9月15日より)
指導のポイント
「今月のニュース記事」と関連のある目標について、指導の前に押さえておいていただきたいポイントを解説しています。まずは、各目標の概要やめざすところをご確認ください。
総務省が公表した人口推計によれば、日本における65歳以上人口は3,619万人に達し、総人口の29.4%を占めて過去最高となった。人口4,000万人以上の国の中では最も高い割合であり、日本社会の高齢化が世界的に見ても突出していることを示している。このような高齢化の進行は、SDGs3番「すべての人に健康と福祉を」、8番「働きがいも経済成長も」などと深い関係を有している。
新聞記事によれば、高齢者の就業者数は930万人と過去最多であり、働く人の7人に1人が高齢者となっている。これは高齢者自身の希望や社会参加の促進という肯定的側面を持つ一方、年金財政の逼迫や若年層の雇用構造変化といった課題を内包している。学校現場では、単に高齢化を「社会の課題」と理解させるのではなく、多様な働き方や世代間共生の観点から学ばせることが求められる。
また、女性高齢者人口が男性を大きく上回るという点は、SDGs5番「ジェンダー平等を実現しよう」とも関連する。高齢期における経済的自立や介護負担などをめぐる問題は、女性に集中しやすい。これらは家族構成の変化や地域コミュニティとの連携とも密接に繋がっており、SDGs11番「住み続けられるまちづくりを」の達成にも関連する視点が必要である。
学習者用解説
「今月のニュース記事」を学習者用にかみ砕いて解説しています。
わが国では今、高齢化が非常に速いスピードで進んでいます。総務省が公表した人口推計によると、2024年時点で65歳以上の高齢者は3,619万人に達し、総人口の29.4%を占め、過去最高となりました。世界に目を向けても、人口4,000万人以上の国々の中で日本の高齢化率は最も高い水準です。また、男性よりも女性高齢者が多いことも特徴です。これらは、皆さんがこれから生きていく社会がどのような課題や可能性を持っているのかを考えるうえで、とても重要な事実となります。
この問題は、SDGs8番「働きがいも経済成長も」と関係します。高齢者の働く割合は上昇しており、2024年の就業者数は930万人と過去最多です。つまり、働く人の7人に1人が高齢者ということになります。これは社会にとって高齢者が重要な役割を担い続けていることを示しています。年齢にかかわらず、能力や経験を活かして働ける環境づくりが求められるでしょう。また、SDGs3番「すべての人に健康と福祉を」は、生涯を通して健康に暮らせる社会をめざしています。しかし、現在の日本では介護を必要とする高齢者が増加し、医療や介護の人手不足が課題となっています。健康寿命を延ばし、高齢者の生活をよりよいものにするために、社会全体が工夫していく必要があります。
さらに、このニュースはSDGs5番「ジェンダー平等を実現しよう」にも関連します。女性は平均寿命が長く、単身で高齢期を迎える場合も多いため、経済的な不安や介護の負担が重くなることがあります。高齢化を考えるとき、女性の視点やジェンダーに関する課題を無視することはできません。
さらに、高齢化は地域社会のあり方にも影響します。SDGs11番「住み続けられるまちづくりを」では、誰もが安心して暮らせるまちづくりをめざしていますが、人口が減る地域ではバスなどの交通機関や医療施設が減り、生活が不便になることがあります。若い世代と高齢世代が支え合う新しい地域の仕組みづくりが必要です。
このように、日本の高齢化はSDGsのさまざまな目標と結びついています。高齢者が増えることは単なる「問題」ではなく、みなさんにとって未来の社会を考える大きな「学びのテーマ」です。技術の進歩や世代間の協力により、誰もが活躍できる社会を作ることは可能なのです。
みなさん自身が「どんな社会を望むのか」「自分には何ができるのか」を考えることが、SDGsを実現する第一歩です。この記事をきっかけに、家族や地域の中での高齢者の役割や、将来の人口構成がどのように変わっていくのか、ぜひクラスでも話し合ってみてください。
【問いかけ例】
Q.高齢化は社会にどのような新しい価値を生み出すだろうか?
* 高齢化は課題だけでなく、新しい可能性をもたらすという視点も大切である。経験と知恵を持つ高齢者が活躍することで、地域活動の充実や文化継承、若者への教育など、多くの価値が生まれている。また、介護や医療、シニア向け産業の発展は新たな仕事を生み、経済にもよい影響を与えるかもしれない。高齢者が社会でどのように能力を発揮できるかを考えさせることで、未来の自分たちが活躍し続けられる社会像を描くことができるだろう。
Q.高齢者の労働参加が進むと、若者の働き方はどう変化するだろうか?
* 働く人の7人に1人が高齢者という社会では、世代間の仕事の役割分担が重要になる。長い職業経験を持つ高齢者が指導や支援を行い、若者が新しい技術や発想で貢献するなど、協力関係が生まれる可能性がある。一方、昇進や待遇などで競争が激しくなる懸念も生じる。年齢に関係なく能力に応じて活躍できる環境をどう整えるかを考えさせることで、高齢化のデメリットの側面だけではなく、メリットに気づくきっかけを提供できるだろう。
Q.高齢者が安心して暮らせる地域づくりに必要なものは何だろうか?
* 人口の少ない地域では、交通機関の縮小や医療機関不足などが起こりやすく、高齢者の生活が不安定になりがちになる。買い物支援やコミュニティ活動、ITを活用した見守りサービスなど、地域の実情に合わせた工夫が求められている。また、若い世代が地域に残り、世代間で助け合える地域コミュニティをつくることも大切になってくる。この問いを通じて、「住み続けられるまちづくり(SDGs11)」の実現に向けて現実的な視点を提供することができるだろう。
オリジナル資料
〈資料1〉は、「学習者用解説」と、「生徒への問いかけ例」をまとめたプリントです(A4×2枚)。〈資料2〉は、その月に取り上げるゴールに関連する「入試小論文過去問題」を紹介します。