目標5・8と関連づけて考えよう!

● 男性育休取得40.5% 過去最高(2025年7月31日の記事より)

image

 

今月のニュース記事

 

●SNS偽情報の認識 実態調査


厚生労働省が発表した2024年度の「雇用均等基本調査」によると、民間企業で育児休業を取った男性の割合が40.5%だったことが明らかとなった。前年度(30.1%)から10.4ポイント上昇して過去最高となった。同省の担当者は、過去最高を更新した背景には、取得を促す制度改正があると分析する。22年春から企業に義務づけられた、育休取得の意向確認や制度の周知のほか、同年10月に導入された男性向けの「産後パパ育休」も取得率の上昇に寄与したと見られ、「25年度50%」という政府の目標に近づきつつある。一方、女性の育児休業取得率は86.6%で、23年度より2.5ポイント上昇した。

 

(ニュースダイジェスト 2025年7月31日より)

 

 

 

指導のポイント

 

 「今月のニュース記事」と関連のある目標について、指導の前に押さえておいていただきたいポイントを解説しています。まずは、各目標の概要やめざすところをご確認ください。

 

 2024年度の厚生労働省の調査によると、民間企業における男性の育児休業取得率が過去最高の40.5%に達した。これは、制度改正や「産後パパ育休」の導入など、育休取得を促す施策の成果であると言える。政府は2025年度に50%の取得率を目標としており、着実に前進している。一方、女性の取得率も86.6%と高水準を維持している。

 

 企業や行政もこの流れに呼応している。例えば、ある地方銀行では「イクボス宣言」を行い、育休取得を推進している。また、ある飲料メーカーでは育児支援サイトを開設し、育休取得を後押ししている。福岡市では市長が「男性育休100%宣言」を掲げ、市職員の取得率向上に取り組んでいる。これらの事例は、育児休業が単なる制度ではなく、組織文化として根付いてきていることを示している。

 

 こうした動きは、SDGs5番や8番にも合致する。育児にかかわることで、男性自身の生活の質が向上し、企業にとっても人材定着や職場環境の改善といったメリットがあると言われている。育児は家庭だけでなく、社会全体で支えるべき課題である。

 

 日本はジェンダーギャップ指数で依然低位にあり、特に政治、経済分野での女性進出が課題となっている。あらゆるセクターの努力によって性別にかかわらず平等な社会の実現をめざす必要があると言えるだろう。

 

学習者用解説

 

 「今月のニュース記事」を学習者用にかみ砕いて解説しています。

 

 2024年度の厚生労働省の調査によると、民間企業で育児休業を取得した男性の割合が40.5%と過去最高を記録しました。これは前年の30.1%から大きく上昇しており、政府が掲げる「2025年度までに50%」という目標に近づいています。背景には、育休取得の意向確認や制度の周知の義務化、そして「産後パパ育休」の導入など、制度面での後押しがあります。

 

 このニュースはSDGs5番「ジェンダー平等を実現しよう」のターゲット5.4「無報酬の育児や介護、家事労働の責任を男女で平等に分担することを促進する」や、SDGs8番「働きがいも経済成長も」のターゲット8.5「すべての人に働きがいのある人間らしい仕事を提供し、男女の賃金格差や雇用機会の不平等をなくす」と深く関連しています。

 

 育児はこれまで「女性の役割」とされがちでしたが、男性の育休取得が進むことで、家庭内の役割分担が見直され、ジェンダー平等の実現に近づきます。また、育児にかかわることで男性自身の人生の質も向上し、企業にとっても働きやすい環境づくりが進むことになります。これは、働く人の満足度や生産性の向上にもつながり、経済全体にもよい影響を与えると考えられます。

 

 では、高校生としてこの問題をどう考え、どんな行動ができるでしょうか。まず、「育児は女性だけのものではない」という意識を持つことが大切です。将来、家庭を持つかどうかにかかわらず、育児や家事は社会全体で支えるべきものです。高校生として育児やジェンダーについて学ぶ機会を積極的に活用しましょう。例えば、育児に関するドキュメンタリーを見たり、育休を取った人の体験談を調べたりすることで、現実的な理解が深まります。

 

 また、身近な人との会話の中で、「男性も育児をするのが当たり前」という価値観を広めることもできます。例えば、育児にかかわっている男性の話を聞いたり、自分の家庭での役割について考えたりすることもその一歩です。家の中で自分がどのように家事や家族のサポートをしているかを振り返ることも、ジェンダー平等の第一歩になります。

 

 さらに、SNSなどを通じて、育児やジェンダーに関する情報を発信したり、関心のある団体の活動に参加したりすることもできます。高校生だからこそ、柔軟な発想と行動力で社会にポジティブな影響を与えることができます。

 


 育児休業の取得率の上昇は、制度の変化だけでなく、社会全体の意識の変化を示しています。私たち高校生もその一員として、ジェンダー平等や働き方の多様性について考え、行動することが、よりよい未来をつくる力になるでしょう。

 

 

【問いかけ例】

 

Q.育児は誰の責任なのだろうか?
* この問いは、家庭内の役割分担について考えるきっかけとなる。かつては「育児は母親の仕事」とされていたが、現在は共働き家庭が増え、父親の育児参加が求められている。生徒には、自分が将来家庭を持ったとき、どのように育児を分担したいかを想像させることで、性別にとらわれない視点を育てることができる。

 

Q.企業はなぜ男性の育休取得を促すのだろうか?
* 企業が育休取得を支援する背景には、社員の定着率向上や職場環境の改善といった経営上のメリットがある。また、SDGsの達成にもかかわっている。生徒には、企業の社会的責任(CSR)や持続可能な経営についても考えさせたい。

 

Q.制度があっても男性育児休暇を取得しにくい人がいるのはなぜだろうか?
* 制度と現実のギャップに目を向け、実行することが簡単ではないことを理解させることは学びへの動機づけをするためにも重要である。現実では、育休制度が整っていても、職場の雰囲気や上司の理解不足により取得をためらう人も多い。生徒には、制度だけでなく文化や意識の変化も必要であることを理解させ、社会の仕組みを多面的に捉える力を育てたい。

 

オリジナル資料

 

 〈資料1〉は、「学習者用解説」と、「生徒への問いかけ例」をまとめたプリントです(A4×2枚)。〈資料2〉は、その月に取り上げるゴールに関連する「入試小論文過去問題」を紹介します。